カラーシャの谷・晶子便り

パキスタン北西辺境州の谷に住むカラーシャ族と暮らすわだ晶子の現地報告。

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新たなるスタート

2007年明けましておめでとうございます。
今年もどうぞよろしくお願いします


12月は体調が悪くなり、このまま動けなくなって年老いていくのだろうかと思ったりもしましたが、12月25日にカラーシャの民間療法、バラバライ(山羊を神に捧げて祈願する)を行い、そのおかげか、股関節の痛みに効く薬を見つけることができ、今は12月以前の健康状態に戻りました。
キラン・ライブラリーも1月2日から再開させました。12月半ばから2月いっぱいまで学校は冬休みなので、午前9時半からお昼12時までオープンすることにして、前は小学3年生以上を対象にしていたのですが、小さい子供向けの本もけっこうな数あるので、ゼロ学年も含めたすべての学童に開放することにしました。ゼロ学年の子供は一人で本を読めないので、私やジャムシェールが1冊の本を4~5人の子供たちに読み聞かせながら教えていくようにしています。子供たち相手に声を出していると、12月に引き篭もりおばさんしていたのがうそのように気力が出てきます。
今年の大まかな予定は、3月にまた村串静江さんがこちらに来てくださるということなので、彼女に多目的ホールの運営をお願いして交代で私が帰国するつもりです。今回の帰国では股関節の完全治療を目標にしていますので、日本滞在がどのくらいになるのかわかりませんが、夏までに戻るということで、できればその後に多目的ホール&作業室の上に2階を作りたいと思っています。今は作業室で暮らしているのですが、早く2階を作って私個人の荷物を移動して、広くて働きやすい作業室にしなければなりません。この作業室で手すき紙作り、織物などのハンディクラフトを村の若い連中と意欲的に作っていきたいと思っています。

 写真:ストーブの周りで読書したり教科書のおさらいをする子供たち。(申しわけありません。いつも通りのプロセスでやるのですが、画像がどうしても入ってくれません。次回また試みてみます。)

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つまらなかったチョウモス

-念願の視聴覚機材やっと買ったというのに。-
 11月18日、静江さんの帰国を見送りにチトラールの町に出た際に、多目的ホールの大人の学習コーナー用視聴覚機材として、テレビとDVDデッキを購入することができた。チトラールの町はチトラール県の中心地といえども、北西辺境州のそのまた北の辺境にあって、そのバザールは、パキスタンのがらくたをかき集めて、無知な田舎者にだまして売っているようなところもあり、品質の良い品物が欲しければ、ペシャワールやイスラマバードなどの都会まで出て買うのが常識になっている。
 しかし、現在股関節の調子が思わしくない私にとって、都会に出て重いテレビを運んで持って帰るというのは無理な話だ。そこで、連絡先としてお世話になっているチトラールのホテル、マウンテン・インのオーナー、ハイデル・アリさんに相談したら、「チトラールでもテレビの普及率が伸びてる今は、ペシャワールもチトラールも同じ品物を同じ価格で買えるよ。でも、外国人のあなたが直接店に行ったら、値段をふっかけられたり、質の悪いものをつかまされる可能性もある。テレビ、ビデオにくわしい知り合いがいるから、彼に同行してもらえばよい。」と、チトラール唯一のビデオ・カメラマン、アズハール氏を紹介してくれた。彼とは前からの顔見知りではあったが。
 アズハール氏が連れて行ってくれた店(これも前から知っている店だった)で、静江さんと相談してソニーのカラーテレビ(マレーシア製、21インチ、マルチシステム)とDVDデッキ(サンヨーの箱に入ったもの)を購入する。ビデオデッキも欲しかったが、マルチシステムのものはペシャワールに問い合わせてもないらしく、チトラールの中で中古のものを探してくれるので少し時間がかかるという。買ったテレビとDVDデッキが映ることを店でチェックしてから、宿に持ち帰り、翌日、静江さんがペシャワールに飛び立った後に、タクシーを雇って(最近チトラールにはジープでなくて、中古自家用車のタクシーがある。)、喜びいさんで村に戻った。
 さっそく、村を訪問中のデンマーク人のビルギッタからもらったばかりの、彼女が撮影編集したカラーシャのDVDを入れてみる。しかし、説明書をどう見ても、アダプターのコードを可能限り入れ替え差し替えでやってみても、ビルギッタのくせの強い英語のナレーションが出てくるばっかり、つまり音は出るが映像が映らないのだ。DVDデッキに付いているコードの頭がふつう赤白黄白と3つなのに、赤白2つの差し込みしかなくてどうもおかしいとは思うが、店で点検したから映らないはずはないとねばり強く数時間テレビとDVDの2つのリモコンを使っていろんな可能性を追求したが映像は出てこない。ビルギッタにも見てもらったがわからない。やはりアダプターに問題があるのではと、村の手前のムスリムが経営するビデオ・DVD上映ショップからアダプターを借りて接続してみると、映像は出た。だが、白黒でカラーが出ない。よくよく見ると、DVDデッキの箱とデッキと説明書とリモコンそれぞれが別物だと判明する。だからいくら説明書を見たってへんだったはずだ。
 10日後、DVDデッキを持ってチトラールの店に行く。(テレビは重くてかさばるし、朝家を出る時小雪が舞っていたので濡れるリスクもあるので持たず。)「DVDデッキの箱はサンヨーなのに、中身は違う物じゃないですか。」と私が非難めいた口調で言うと、「サンヨーというのは箱だけで、中身は中国製と言ったはずだが。サンヨーがこんな安い値段(2000ルピー。4千円)で変えるはずがないだろ。」と笑う。やはりアダプター・コードは赤白黄の3つ頭でなければならず、それに変えてくれた。店にあるテレビで持ってきたDVDデッキを点検し、ちゃんとカラー映像が出るのを確かめて、どことどこを接続するよう教えてもらってルンブールに戻ってきた。
 今度こそは大丈夫と余裕綽々でコネクトして見る。しかし、しかし映像は出るが、モノクロでカラーが出ない。説明書のトラブル・シューティングに、色が出ない場合の対応があり、マルチテレビのシステムを変えてみろとあるが、どうやっても自動(Auto)に固定されていてPALあるいはNTSCに切り替わらないのだ。
 その2日後から谷には本格的な雪が降りだし、ジープも谷の中ほどまでしか通れなくなり、私の村は冬ごもり状態になった。チトラールに用事で行くサイフラー氏にカラーが出ない問題店をテレビ店に報告するようことづけたら、店の主人からの返事のメモを持ってきてくれた。だが、システムを自動かPALかNTSCにして見るよう書いてあり、それができないから相談しているこちらは、また肩透しでがっくり。ということで、まだテレビとDVDについてはお預けの状態が続いている。

-チョウモスのあの感動はどこに?-
 今日は12月22日。昨日チョウモス祭が終了し、普通の日に戻ったわけだが、年々、カラーシャの祭りに対しての情熱が薄れてきている中でも、今年ほど白けたチョウモスはなかった。祭りやイベントにはセッテングが非常に重要なポイントだと思う。今年はチョウモスの一番盛り上がる期間、ディッチ(超聖なる期間。12月15日~21日)の始めの4日間に、イギリスからツアー・グループ11人が来るということだったので、それだけでもチョウモスが何かしら俗化された気がしたものだが、私の体調も雪道で冷えたのだろう、股関節の調子がまた悪くなり、おまけに風邪まで引いてしまって、必ず参加しなければならない行事以外は、自分の部屋あるいはヤシールの家に引き篭もっていた。チョウモスの最後の5日間は、ストーブの脇にベンチ2台をくっつけてベッドにして、ずっと読書をしていた。(前から読もうと思っていた筒井康隆の「虚航船団」はとてもおもしろかった。他はミステリーものばかり、時間つぶしに。)
 私だけが、前ほどに祭りに夢中になれないわけではなく、年配のカラーシャたちも口を揃えて、「以前はプレチェーシ(一族ごとにサジゴールで山羊を捧げて神に感謝と祈願をする行事)の時でさえ、谷中の者が一体になって熱くなったもんだ。女たちは男たちがサジゴールで祭礼をしている間、サジゴールトンで歌い。祭礼の後は男たちの後を、サジゴールトンからバラングル村の下流まで、歌を歌い踊って、そりゃあ、盛り上がったもんだ。今はプレチェーシ自体行わない一族も出てきたぐらいだ。」と昔を懐かしがる。外から多種多様の物と情報が入ってきている現在、昔と同じ状態でというのは、ま、無理な話であろうが、祭り好きだったはずの私としては、熱くなれない自分のことも含めて寂しい気もする。
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写真:今回のチョウモスのニュー・ファッション
   左の娘は普通のカラーシャ。真ん中はカラーシャ・グロムのアガ・カーン教育サービスのコミュニティ小学校の教師。右はチトラールの私立女子カレッジの学生。数年前から服の裾模様が異様に高くなってきていたが、この冬からカラーシャ服の上に毛糸のカーディガンを着るのがファッションになったよう。谷を離れている娘、あるいは谷にいても教師などで収入がある娘は揃ってこのファッションをしていた。



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