カラーシャの谷・晶子便り

パキスタン北西辺境州の谷に住むカラーシャ族と暮らすわだ晶子の現地報告。

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佐賀での生活

 いやいや、九州佐賀に帰省してからはや3ヶ月近く経とうとしている。佐賀に着いた当時は、たっぷり時間があるから、後まわしになっていたパソコンの諸々の作業やバラングル村でできなかったクラフト類の仕上げもやれると余裕の気持ちでいたのに、あれあれ、あと2週間で東京に戻らねばならないこととなった。パソコンの作業は、昨年ビデオ撮影した葬式、多目的ホール&クラフトルームでの活動の編集ができたからまあいいとして、クラフトの仕上げ作業はまったく手つかずの状態だ。なんちゅうことだ。
 にわかに活発な気分になってきたのは1月の後半からだ。毎回帰省のときは、高校の友人たちが集まって、ランチをとりながらおしゃべりの場を持っているのだが、「わだの向こうの様子はどがんね?」ときかれたときに、口で説明するよりもせっかく編集した映像があるのだから、今回はランチの前にどこかで映像を見てもらいたいと思った。
 ラッキーなことに、佐賀大学まちづくりサテライト「ゆっつらーと館」の徳島さんの尽力で、街角大学の受講者の方々にも声をかけていただき、1月23日に、「村の様子」のスライドショーと「昨年の活動」をまとめたビデオを上映しながら報告会を開くことができた。新聞やテレビには知らせてなかったので、友人を入れて10人集まればいいかと思っていたら、会場の席が全部埋まってしまうくらいたくさんの方が来てくださった。びっくりの驚きは、もう何十年も会っていなかった年上の従姉妹と会場で会ったことだ。従姉妹は街角大学の受講者だったので、1週間前に徳島さんが作ってくれた案内を見て、「これはあっこちゃんじゃなかろうか」と駆けつけてくれたということ。嬉しかったです。
 報告会の後、高校の仲間と和食屋さんでランチをとった。人口のわりに飲食店が多い佐賀市で競争が激しいからか、サービスランチ(さしみ、てんぷら、煮魚、小鉢、吸物、漬物、ご飯、アイスのデザート、コーヒーとケーキ)がこれだけのメニューで1380円。こんなにサービスして利益が出るのだろうかと客の方が心配してしまうくらいだった。楽しいおしゃべりで胃の消化もよく、みんな、これだけの品数をぺろりとたいらげたのでした。

 1月中旬には、散歩がてらに通っていた市立図書館から図書カードを発行してもらうことができ(私の住民票は佐賀市にはないが、親の面倒をみるため帰省しているという理由で審査を受けて発行してもらった)、数日おきに本とDVDを借りてくるので、それらを見たり読んだりするのにも忙しくなった。
 米谷ふみ子さんの「ええ加減にしなはれ!アメリカはん」や、マイケル・ムーア「おい、ブッシュ、世界を返せ」などの本で、アメリカが、特にGブッシュ時代に、正義、民主主義を表にかかげて、実は裏でいかにものすごく汚いことをしているのかをさらに確認して憤ったり、5年前に私の写真展にも来て下さった、報道写真家の山本宗輔氏の「ビルマの大いなる幻影」や、佐賀県出身でカンボジアで亡くなられた報道写真家の一の瀬泰三氏の写真集などを読んで、ここ数年おろそかになっている写真をもっとちゃんと撮って、何か形にしなければと刺激を受けたりしている。
 また、佐賀市立図書館の数少ない貸し出しDVDビデオには、どういうわけかイラン映画などのマイナーなものが置いてあるので、せっせと借りて鑑賞している。今、アメリカはイランが核を持ったと目の仇にしているが、図書館で借りたのを含めてここ最近見た6~7本のイラン映画のすべては、大変ゆっくりしたテンポの中で、人間の営み、家族の関係、子供の気持ちが、砂漠や森の自然を背景に、あるいは街中にある石造りの小さな家で、暖かく描かれていて、新鮮な感動を受けるものだった。
 逆に、ルンブール谷での生活でたまには映画も見たいと、チトラールの町の、数年前にできた海賊版DVDビデオ屋さんでDVDを探すけど、英語版の映画はほとんどがアメリカ映画で、しかもアクションものかホラーもの、あるいはちんけなファミリーものばかりで、見たくなるような映画がない。妥協して買って村に帰ってパソコンで見てみれば、人殺しと車がぶつかるシーンがバンバン。場面の動きが速くてとても目がついていかない。(そしてどの映画も必ずきわどいベッドシーンを織り込んである。)これでは村の人に見せてあげようにも見せられないではないか。
 こんな映画を見た後は、「世の中は殺しと破壊だらけ。家には魔物が住んでるぞ」と暗い気持ちになるばかりで、ちっとも心豊かにならない。ま、そういう風に人々を陥れるために、アメリカ映画業界はわざわざ莫大な金をかけて製作しているのだろうね。つまり、「世の中はこわいぞ。恐ろしいぞ。武力なしではあり得ないぞ!」と人々を洗脳して、よその国に戦争をしかけるのを正当化しているのではないかと。
 映画を見た限りでは、イランの方がよっぽどまともで人間らしいと思ってしまうのは私ばかりだろうか。
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