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カラーシャの谷・晶子便り

パキスタン北西辺境州の谷に住むカラーシャ族と暮らすわだ晶子の現地報告。

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悪夢の再現―テレビとDVDプレーヤー


 このところジャムシェールの仕事がなくて(ちょっとした大工仕事はあるが、外が寒いので後まわしになっている)、つい先日、仕事がないから、玉子と玉ねぎとナイロン糸を谷の店で買い、帰りにバズバン作りを頼んでいた女性のところに行って出来あがったのをもらってくるように使いに出したら、半時間で戻ってくるべきところ2時間もかかって戻ってきた。しかも、頼んだ品物は全く持ってこず。「玉子が見つからず、店をまわっていた。やっと1個見つけて買ったけど、ポケットに入れてたら割れてしまった。」と渡したお金は玉子1個分減って戻ってきた。バズバンの女性もグロム村に行っていていなかったらしく、やっと今さっき戻ってきたが、2個目がもう少しで終わるから、それが出来たら渡すと言われたと、使いに出した意味がまったくない。子供の使い以下だ。「頼んだものが店になかったら、なかったと、どうしてすぐに戻って来ないの」と文句言ってやったが、その晩はこの件についていろいろ考えをめぐらせ、考えれば考えるほど腹が立って眠れなかった。
 彼には給料払っている。恩着せがましく言いたくはないが、その給料は大変な思いをして(友人たちの寄付金や、ハンディクラフト、写真集を売ってお金を作る。バズバン作りもその一つ)、あちこちやりくりして払っているのに、本人は天から降ってくるとでも思っている。チトラールまでジープ代とランチを賃金以外に払って頼むことも半分以上無駄だったり、違う物を買ってきたりと手伝いというより、損失のためにやっているのではないかと思ってしまう。もちろん本人はそういう自覚はないのだが。

 腹立つことで思い出した。思い出した。この件はジャムシェールの問題どころではない。昨年プリンターのカートリッジのことで、損をした上に喧嘩までふっかけられ、泣き寝入りのまま非常に気分悪い思いをしたことがあったが、今度はテレビ&DVDのことでその悪夢が再現。前々のブログでもふれているが、まず、1)買ってすぐにテレビの映像が出なかったので、10日後私がチトラールの店に行き、接続コードを変えてもらう。2)すると映像は出たが、カラーが出なくて白黒のみ。3)カラー・システムがオートに固定されていてPALにならないので、カラーにならないようなので、固定を解除するためにはどうしたらいいか質問の手紙を店までサイフラー議長に託す。しかし「カラーが出ないのはカラー・システムを動かしたらいい」という返事。動かせないからきいてるのに。4)再び、同じ質問の手紙をジャムシェールに持っていってもらう。やはり、カラー・システムを変えろという返事。5)今度は私がチトラールに行った際に、テレビのリモコンを持って店に行く。店主は自分はコンピューター内臓の機器に弱く、息子がよく知っているので、息子のいる夕方4時から5時頃においでというので、4時半に行ってみると店は閉まっていた。この件のために、チトラールに泊まることになる。6)翌日店に行くと、私のリモコンで店にあるソニーのテレビのカラー・システムを変えることができたので、テレビに問題があるだろうという。テレビを店に持ってくれば無料で直すという。あの重いテレビを雪道の中、運んでくるのは大変だから、店の息子にルンブールに来るよう言うと。「それだと修理代を1200ルピーもらうことになる。直らなくても500ルピー請求する。」という。横にいたジャムシェールが「そんな1200ルピーも払うのは馬鹿げている、自分が運んで持ってくる。」と言う。7)後日、ジャムシェールが多目的ホールに置いてあるテレビとDVDプレーヤーをジープの助手席に乗せて、特別運賃を払ってチトラールに持っていく。同じ日にジャムシェール戻ってくる。リモコンの操作の問題だったらしい。これですべてOKということで、テレビとDVDプレーヤーのパワーを入れてみる。しかしテレビはオンになるが、DVDプレーヤーの方はどうしてもパワーランプがつかない。それまでずっとテレビに問題があったが、DVDプレーヤーは接続コード以外は大丈夫だったのに。とにかく電源が入らないことにはどうしようもない。8)ジャムシェール、DVDプレーヤーを持って再々度チトラールの店へ。夕方ジャムシェール手ぶらで帰って来る。店主いわく、「ルンブールの電圧が強過ぎて、プレーヤーが焦げてしまっている。修理するのに300ルピー払うよう。」冗談ではない、今回テレビとDVDプレーヤーを買うときに、電力を安定させるステビライザ-も、DVDプレーヤーとあまり変わらない値段でこの店から買っているのだ。テレビとDVDプレーヤーはこのステビライザ-を通じて電気がきている。もし電圧が高くて焦げたなら、ステビライザ-に問題があるということになる。それに同じ状況にあるテレビは焦げついてない。これはどういうことか。あきらかにDVDプレーヤーが不良品ということである。9)修理に2日かかるということだったので、3日後、店主に丁寧な文面でこちら側の状況を説明し、DVDプレーヤーを別なのに代えてくれるか、そちらの責任で修理していただけると大変嬉しく思いますという手紙をジャムシェールに持たす。常識ある人間だったら、手紙を読んで責任を感じるだろうから、今度こそテレビとDVDプレーヤー両方OKで、今晩は私が持っているただ1枚のDVD映画「フェリーダ」を大きいテレビ画面で観ようかしらんとわくわくして待っていたら、チトラールから戻ってきたジャムシェール、またしても手ぶら。「店主がペシャワ-ルに行っていて、息子は別なDVDプレーヤーが欲しいんだったらお金払えという。店を紹介したアズハールも店につれていったが、彼も息子とは話のしようがないと言って、力になってくれなかった。」とのこと。
 ということで、9回チトラールの店に出向いているわけだが、未だに買ったテレビとDVDプレーヤーで1度も映像を見てない。機器の代金以外に9回のチトラール往復で数千ルピーの経費を使っている上に、下手するとカートリッジ事件と同じく壊れたDVDプレーヤーはこちら側の損失(運が悪かった)として諦めなければならないかもしれない。こんな理不尽なことがあっていいのだろうか。今の日本ではまずあり得ないだろうが、パキスタンのチトラールでは大ありのことなのだ。腹立つけれど、怒れば怒るほど泥沼に入り込んでしまって最終的によけいに損するのはこっちの方だから、事故に会ったと思って今回も泣き寝入りすることになりそうだ。しかし悔しい。
 不愉快な話題につき合わさせて申しわけありませんでした。おかげで私は少しすっきりしました。
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