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カラーシャの谷・晶子便り

パキスタン北西辺境州の谷に住むカラーシャ族と暮らすわだ晶子の現地報告。

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パキスタンに戻る前の一週間

 日本を出る前の一週間は連日人と会う約束が入り、あわただしいものであったが、今後の活動の発展をうながすものばかりで、いっぺんにいくつもの春がやって来たような気持ちだ。

 4月5日(火)
 日本パキスタン協会主催、「丸山純&令子夫妻の、美穂子寄付金による活動報告会」に参加する。6~7年前から行ってきたチトラール県のドローシュの小学校での音楽や紙芝居、お絵かき教室など、パキスタンの学校では行われていない情操教育面での援助、あるいはプレイグラウンドの建設、またカラーシャ谷での活動などのこれまでの報告が、今回はビデオ映像で行われた。
 カラーシャ谷での美穂子寄付金による活動は、巡回図書箱、ルンブール谷の全学童に教科書配布、口承の歴史・伝統を子供たちに残すための援助、お絵かき教室などであるが、これらはルンブール文化福祉開発組合(私が代表者となっている地元のNGO)が行っているので、私も報告会でコメントを求められた。
 美穂子寄付金から、来年度分の口承文化を受け継ぐための援助金7万円(語り部と録音係への賃金)、そしてイスラマバードの画家ファウジアが賃金を寄付してくれた2万円と合わせて9万円を組合代表として預かる。
 日本パキスタン協会から会報に載せる記事の原稿を頼まれるが、新たに原稿を書く時間がないので、ホームページの前回の便りに少し手を入れてを流用してもらうことにする。

 4月6日(水)
 三鷹に行く。このホームページをやってもらっているデザイン事務所「アドリブ」の沢渡嘉明さんを訪ねる。その沢渡さん、そして写真集の発送・会計を手伝ってもらっている鈴木いさ子さんと三人で、下連雀4丁目にあるフェアトレード店「るま・ばぐーす」に行く。「るま・ばぐーす」はフェアトレードの輸入雑貨を販売をしているだけでなく、手作りのお菓子やおいしいコーヒーも飲めるようになっている楽しくて素敵なお店である。こちらのお店と村の現金収入源の活動が将来つながっていけるようにと、店長の岩佐さんに谷で作った手すきの紙や織物の製品をお見せしながら話をする。
 「アドリブ」に戻り、ホームページの便りの更新をブログで私自身でできるように、沢渡さんから教わる。

 4月7日(木)
 カムラン・ニヤズ・パキスタン大使との面談のためにパキスタン大使館へ。大使はとても気さくな方で、以前ボンボレット谷に行ったことがあるそうで、カラーシャの生活のこと、援助などの現状など、アブドゥール・ワヒード・カーン広報官も交えて話がはずんだ。私がパキスタンのプロモーションにも一役かってるので、大使館の方も今後、情報交換などで協力したいと言っていただいた。
 その後、ICLC(国際識字文化センター)の代表者であり、ミャンマーから帰国されたばかりの田島伸二氏のところを訪ねる。田島氏は「ウルドゥー語の権威であられた故鈴木教授の支援金で建てられたファイサラバード刑務所のキラン図書館に続いて、ペシャワールの刑務所にも新たに造りたい。同じ北西辺境州に住むわださんは、ペシャワールに関してもくわしいので協力してほしい。」とお願いされた。さらに、今個人的に建設している「多目的ホール&作業部屋」の中に、キラン図書棚を設立するための援助金を、故鈴木教授の支援金の中から協力したいとのお申し出があり、多目的ホールのよりよい充実が約束されてほんとうに喜んでいる。

 4月8日(金)
 上野にある都美術館で開かれている「光風会展」を、静江さんと観にいく。この展覧会に毎年出展している新潟の日展画家・本間ケイ女史からご招待いただいたのだが、実は本間さんは以前私がコーディネイトしたNHKテレビ「アジア染織紀行」のカラーシャ族の番組を観てひらめきがあり、その後のNHKテレビ、チョウモスの祭りのドキュメンタリー番組「太鼓に響く歌声」でさらに興味が高まり、今回の私の東京での写真展にも駆けつけてくださった方である。本間さんは7月にルンブール谷の私の村を訪ね2週間ほど滞在される予定で、「カラーシャの女性を描きたい」という数年間の彼女の思いが、実現することになると思う。

 4月9日(土)
 2003年にアルテ・クルブとICLCの主催で、カラーシャの子供たちが手漉きの紙の上に天然顔料で生活や祭りの絵を描いた作品の展覧会「パキスタン少数民族絵画展」が川越市の三番町ギャラリーで開催された。その縁でアルテ・クルブ代表の草野夫妻のご好意で、ギャラリーでの企画展覧会の時などで、手漉き紙のカードを売っていただいている。
今回は、昨年の新製品である樫やクルミの木の皮で作った厚手の紙フレームに織りの紐を飾った作品や紐を縫い付けた袋も追加として置いていただくことになった。
 草野夫妻は設計事務所を営む建築士であるが、現在進行形の多目的ホール&作業部屋について話をしているうちに、屋根の話になった。カラーシャの家屋の屋根は、梁の上に平板を敷き、その上に枯葉やおが屑を敷き、上から土を被せるのが伝統的なやり方である。だから屋根は平らである。しかし近年は傾斜のついたトタン屋根が入ってきつつあり、これは景観をそこない、私は好きではないが、冬に雪かきをしないですむという利点がある。
私はいずれ資金があれば、一階の多目的ホール&作業部屋の上に自分の部屋と客部屋を造りたいと思っているが、どういう屋根にしようか迷っていると草野さんに言ったら、「それでは、杉の皮を葺けばいいですよ。」とすばらしいアイデアを下さった。地元には木の皮を葺いた屋根はないが、人々が知らないだけで、試みてみる価値はあるのではないだろうか。
 その後、下北沢の自然食レストラン&飲み屋「ぐ」に行く。宮沢賢治のひとり語り-賢治の世界の出前公演を千回以上行ってきた林洋子さんと待ち合わせだ。洋子さんの生の声と生の音楽による語りは、日本全国にとどまらず、インドやインドネシアにての海外公演も行っている。いつも元気と情熱の塊りのような洋子さんは、愛猫モモが亡くなったばかりで悲しみのオーラにつつまれていた。
 しかし、「いつか洋子さんに私たちの谷で出前公演をやってもらいたい」という話をしたら、洋子さんも「私も行きたいと思っていたんだけど、再来年にバングラディシュ公演を計画をしているけど、その時に足を伸ばしてパキスタンまで行ってみようかしら」と、実現可能な話になり、洋子さんの悲しみのオーラはその時は薄くなり、私もすっかり盛り上がってしまった。再来年だったら、多目的ホール&作業部屋もできているだろうから、受け入れ側のタイミングもばっちりだ。(終)
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